漢方薬の治療思想は原因療法

私たちが日常的に利用している病院では、大きく分けて、二つの治療方針がある事をご存じでしょうか。
その二つとは、対症療法と原因療法と呼ばれるものです。
簡単な言葉で説明すると、対症療法とはその症状を治療する事で、原因療法とは、その原因を治療する事です。
もう少し、具体的に説明してみましょう。
例えば、「頭が痛い」と言った症状で病院に行くとします。
この時に、痛み止めのお薬を処方してもらうと、これが対症療法になります。
しかし、仮に痛み止めで頭痛を一時的に緩和しても、その陰に重大な問題があるのかもしれません。
頭痛の原因となる病気は、風邪などの一般的な疾病から始まり、高血圧や様々な生活習慣病も該当します。
そこで、問診や体温の計測、必要があればCTや様々な検査などを行い、治療が必要な原因があるかどうかを調べるのです。
これが原因療法です。
一般的に、対症療法の方が短い期間で効果が現れる事が多い様です。
この両者は決して対立する物ではなく、どちらが優れていると言う事はありません。
しかし近年の西洋医学では、これまでの治療は対症療法に重きを置きすぎたきらいがあるとの反省から、原因療法に力を入れる傾向が強い様です。
患者にしてみれば、その症状の緩和も大事ですが、やはり、その原因を根治したいと言う気持ちは人情でしょう。
原因が解決すれば、その症状の再発の心配も無くなるからです。
ところで、何千年も前から、この原因療法を主眼として医療が存在していた事をご存じでしょうか。
それが、漢方薬です。
あまりにも身近過ぎて、漢方薬の治療思想と言うのは、意外と知られていない様です。
漢方医学の基本的な考え方は、体質改善による原因療法です。
東洋で特徴的な陰陽理論に基づき、健康な状態を陰陽のバランスが取れている状態と考えます。
つまり、漢方薬の目的は、最終的には、陰陽のバランスを取り戻す事です。
例えば、同じ風邪を引いても、その人の陰陽のバランスの崩れ方が異なれば、処方される漢方薬も異なってくるのです。
この辺りが、その病気の治療を目的とする西洋医学と考え方が大きく異なる点ですね。
西洋医学と異なる点と言えば、漢方薬の成分も異なります。
基本的に西洋医学の薬剤は、単一の有効成分を用いる事がほとんどです。
一方で漢方薬の場合には、複数の生薬を組み合わせて、薬効を高めたり、効果を打ち消し合わせて、副作用を減らしたりする事ができるのです。
前述した通り、漢方薬は、飲む人が陰陽のバランスが取れている健康的な体質になる事が目標です。
効果は穏やかですが、副作用が少なく、ゆっくりと体質改善をして行く事が最大のメリットだと思います。

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